発達障害は、教員免許更新講習で、開催の希望が多いテーマだ。
「突然奇声を出す、床に寝転がる、そんな子が学級にいます。スクールカウンセラーはあまり問題ないと言いますが、どうなのでしょうか」「高機能自閉症の可能性がある子を担当していますが、将来、このまま普通学級でいいのか、親御さんをどう説得していけばいいのか」――。
1月31日、近大姫路大学(兵庫県姫路市)が協力校の湖東学園(熊本市)で開いた出張予備講習「子どもの心の発達」には、県外も含め小学校、幼稚園の教諭ら36人が参加。グループ別話し合いの後の発表では、発達障害とみられる子どもにどう対応したらいいか、戸惑う声が相次いだ。
「発達障害のある子はほめちぎって。『朝から元気だね』など声かけは大事」「寄り添ってあげて。何回言っても行動が変わらないなら、言い方が悪いのです」と、講師の一人、九州ルーテル学院大学(同)の河田将一准教授(37)。「特性を理解することが、早期発見・対応につながる」と強調する。
東京から参加した立花敦子・特別支援学校教諭(43)は「言葉をかける、できることに注目することなど、日ごろから自分が心がけていることが間違っていないとわかって、安心した」と話した。
文部科学省が2002年に行った抽出調査によると、通常学級に通う小中学生のうち、「知的発達に遅れはないが、学習面や行動面で著しい困難を持つ」と担任教師が判断した割合は6・3%に及ぶ。
05年には、国や自治体の支援を定めた発達障害者支援法が施行され、新学習指導要領にも効果的な指導や支援計画の作成などが盛り込まれた。更新講習でも、全受講者が必修領域で発達障害を学ぶことになったが、時間が十分でないため、選択領域で多く開講される予定だ。
昨年11月、大阪千代田短期大学(大阪府河内長野市)では、幼稚園教諭を主な対象にした美術教育や教材研究についての6時間の講習のうち、80分を発達障害に充てた。
「系統だった話を聞き、自分のやり方を見直し、向上心を持つことができた」と、大阪府泉南市から参加した幼稚園教諭(33)。講師の中出英子・同短大教授(57)は、「通常学級の中で、多数の中の一人とどうかかわっていけばいいのか、悩まれる方が多いようです」と話す。
校種、教科、年代を問わず、大半の教員が現場で直面する深刻な課題の解決策として、講習への期待は大きい。(京極理恵、写真も)
発達障害 幼少期から表れる、先天的な脳機能障害。読み書きや計算の習得が苦手な学習障害(LD)、衝動的に行動しがちな注意欠陥・多動性障害(ADHD)、知的発達に遅れはないが人と意思疎通が苦手な高機能自閉症やアスペルガー症候群など。