◇川崎医科大付属病院(倉敷市)椿原彰夫・リハビリテーション科部長(56)

 リハビリテーションは、病気に起因する症状や障害の治療・改善を目的にしています。当科には脳卒中による嚥下(えんげ)障害や、脳の損傷で記憶・判断に障害が残る高次脳機能障害、小児発達障害の方が主に来院されます。

 子供の発達障害は、自閉症、アスペルガー症候群、ADHD(注意欠陥多動性障害)などがあります。未解明の部分が多い、診断が難しい分野です。

 相談に来られた両親にはまず、「どういうことで困っておられるんですか」と尋ねます。「言葉がうまく話せない」「落ち着きがない」「対人関係がうまくいかない」などですが、すぐには診断名を付けず、子供の様子を詳しく聞き、問題行動を改善するための対処法を検討します。

 実際のリハビリには、言語聴覚士や作業療法士があたります。落ち着きがない子なら、どうすれば30分以上座れるようになるかなどを遊びや学習によって見つけていきます。感覚統合訓練や家事の手伝いを一緒にしながら、子供が対人関係を築ける方法を探すこともあります。この過程は親も一緒に観察し、自宅で同じように取り組んでもらっています。

 このようなリハビリテーション訓練を半年から1年間続けます。途中で特定の障害にあたると判断して、投薬を行う場合もありますが、問題行動がなくなることも多いんです。親が共働きで疲れて遊んでやる時間が短い、交流する子供が近所にいないなど、環境的な要因で問題行動が起きていることもあり得るのです。

 このため、子供の問題行動に気付いた時は、親も周囲も冷静に対処することが肝心です。大切なのは、子供が問題行動を改善して、社会の中で成長していく方法を考えることです。【井上元宏】

引用:毎日新聞 2009年7月14日 地方版
http://mainichi.jp/area/okayama/news/20090714ddlk33070507000c.html



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