御坊市は、発達障害児の早期発見や早期対応を目的に今秋から保育園や幼稚園で5歳児健診を試験実施している。専門家の研究で小・中学校で把握される発達障害児のほとんどは5歳の段階で発見可能で、その半数以上は母子保健法で定められた3歳児健診では発見できなかったとされ、全国的に5歳児健診を実施する自治体が増加。県下では御坊市と海南市が試験実施を始めた。来年度以降も継続し、発達支援システムを充実させる考え。
市は4カ月、10カ月、1歳6カ月、2歳6カ月、3歳6カ月の計5回、乳幼児検診を実施。受診率はいずれも94~99%と高く、育児に欠かせないものとして定着している。再検査や精密検査、臨床心理士による発達相談の推奨、専門的な機関の紹介など乳幼児支援のシステムは確立できているが、3歳6カ月を最終とする乳幼児健診では注意欠陥や多動性障害。学習障害など発達障害を見つけるのは難しく、学校が実施する就学前健診でも発達心理面での評価は行っていない。
5歳児健診を実施することで発達障害を早期に発見し、就学までの間に療育指導を行うなど早期の対応が可能になるとし、今秋から市内の公私立6保育園、6幼稚園の園児212人を対象に試験実施を始めた。嘱託医(小児科医)と保健師らが園を訪問し「落ち着きがなく長い間じっとしていられない」「一人でいるのが好き、一人で遊ぶことが多い」「カッとなったり、かんしゃくをおこしたりすることがよくある」「気が散りやすく集中できない」など行為面、他動面、情緒面、仲間関係、向社会性を評価している。
結果をもとに年明けに専門職ら関係者で情報交換、対応を協議し、保護者に助言など必要な対応を行っていくほか、年9回の発達相談の回数を増やすことを検討したり、発達支援ノートの推奨など乳幼児から就学後までの情報共有化のシステムづくりにも力を入れている。来年度以降も継続させたい考えたが、臨床心理士ら専門家の確保など健診システムの確立、保護者の認識の改善など取り組むべき課題もある。
小川周司市民福祉部長は「5歳児健診を行うことでレッテルを張ろうとしているのではないことを理解していただきたい。発達障害を早期に発見し、適切な対応をとることが重要であり、5歳児健診で客観的、専門的に発達心理面での評価を充実させ、関係機関や専門職が連携し、幼児から就学後まで一貫した発達支援を行えるようにしたい」と理解を求めている。
引用:紀州新聞
http://www1.ocn.ne.jp/~ks-press/091220.html