高山市総合福祉センターでは10日、飛騨地域の自閉症児・者を支える会「こんぺいとうの会」が、発足10年で初めて新成人の門出を祝う会を開いた。成人したのは市内の下屋(しも・や)政仁(まさ・と)さんと〓ノ下(はげ・の・した)陽子さん。日枝(ひ・え)中学校で同級だった2人は、ホテルで開かれた市主催の「日枝地区新成人を祝うつどい」に出席した後で駆けつけた。
同会は、自閉症の子の母親7~8人が集まり、1999年9月に発足。現在は40人を超える会員がいる。祝う会には約70人が参加した。
祝う会では、2人の母親が、成長していく過程の写真を見せて20年を振り返った。下屋さんは養護学校の高等部時代には立ち幅跳びの全国大会で優勝。現在はスーパーで働き、2年後のぎふ清流大会・全国障害者スポーツ大会の強化選手にもなっている。
〓ノ下さんの母久美子さん(52)は「太陽のように明るく育ってほしいと陽子と名付けました」と語った。1歳半になり、目線が合わない、言葉が出ないといった状態が目立ち始めた時、自閉症への理解は当時なく、周囲から「子育てが悪い」と言われた苦い経験も話した。
「苦しくて、押しつぶされそうな時もあった」と久美子さん。「でも、小さな成長を喜び、大切にしてきた。子どものお陰で多くの人との縁にも恵まれた。(障害のない)普通を夢見たこともあったけど、今は陽子のままがいい。自閉症の陽子が大好きです」とうれし涙をぬぐった。
下屋さんは社会人1年目の夏から始めたヒップホップを会場で披露。〓ノ下さんは絵の才能を生かして作ったポストカードを来場者に贈った。
〓ノ下さんの父喜代一さん(54)が最後に「涙の20年。そう言っても、言い過ぎじゃないくらいつらいことが多かった。支え合い、みんなと一緒だったからここまでこられた」とあいさつ。「本当にお礼を言いたいのは、政仁君と陽子。20年、りっぱに育ってくれて本当にありがとう」と言葉を贈った。
※(〓は山へんに兀)
引用:朝日新聞 http://mytown.asahi.com/gifu/news.php?k_id=22000001001120005