脳科学者の茂木健一郎さんが17日、和歌山市小松原通1の県民文化会館で「脳科学から見た自閉症」と題して講演した。「自閉症の子どもらに“標準”を押しつけず、個性を受け入れて才能を伸ばせる社会にしよう」などと訴えた。
日本自閉症協会(石井哲夫会長)主催で、自閉症に悩む人たちや支援者約800人が集まり、全国大会が県内で初めて開かれた。
講演では海外の著名な物理学者、哲学者、起業家らを例に挙げながら、自閉症や発達障害者らの多様な個性を紹介。茂木さんは「誰でも何かに挑戦し続ける情熱を持っている。自閉症の人らは手段や方法が分からないだけで、周囲から規格外に見えてしまう」と問題提起し、「長所の近くに短所がある。一見、規格外に思える才能を標準化する教育でつぶしてはいけない」と強調し、「脳の働きに上下はない。それぞれの個性を受け入れて伸ばせる社会にすべきだ」と締めくくった。
質疑応答では、アスペルガー症候群の小学校6年生の息子を持つ母親が、「音に敏感で頭の中で音が乱反射して、常に切れている状態の息子を治療する方法は?」と質問すると、茂木さんは「脳の回路を変えるのは難しい。今の状態を受け入れて、息子さんがストレスを感じずに学習しやすい環境を作ってあげてほしい」と回答した。
引用:毎日新聞 http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20100724ddlk30040423000c.html