金大研究グループ
全国初 就労、自立の問題解決へ

発達障害の研究や支援に取り組む金沢大の研究グループが、市民や企業と連携して発達障害者の就労や自立の問題を解決する全国初の「モデル地区」設置構想を金沢市で進めている。支援環境などを体系化し、行政の“特区”指定を含め二〇一二年秋にも実現を目指す。昨年十一月に当選した金沢市の山野之義市長もマニフェストに支援を掲げており、先駆的な動きが加速しそうだ。
発達障害者の中には数学的・論理的思考が優れパソコン作業が得意な人や、高い集中力で整理分類作業に向く人もいるが、国内では企業などの理解があまり進んでいない。

研究グループは、金沢大の大井学教授(特別支援教育)をはじめ教育学、社会学、精神医学など各種分野の研究者約二十人。発達障害に詳しい研究者らを同大の研究拠点に集めて公民館に派遣、発達障害を住民に広く知ってもらうなどのモデル地区構想を描く。専門家は企業にも助言し、勉強会などで理解を得ながら、発達障害者の積極雇用を促す。

モデル地区での雇用支援を地域特性として際だたせ、行政特区として認めてもらうことも目標とする。企業や金沢市特有の「校下」単位で専門家と市民が交流しながら議論する場を設け、特定分野で能力を発揮しやすい人のため、それを生かす就労モデルなどに知恵を出し合う。

発達障害者は近年、増加傾向で、文部科学省の〇二年度の抽出調査では疑い例も含め、小中学生の6%に上る。知的な遅れはないが、人付き合いが苦手だったり特定の行動にこだわったりする特徴がある。

発達障害が原因でうつ病やパニック障害になって初めて発達障害と診断される成人患者も最近増加。職場の人間関係がうまく築けず、転職を繰り返し、学校現場や近所付き合いなどの地域活動に悩むケースも目立つ。

こうした背景から、研究グループは〇九年、発達障害の研究に着手。支援のあり方を体系化するモデル地区構想が浮上した。前段階として一〇年、市民と専門家が意見交換する「サイエンスカフェ」や「コンセンサス会議」も開いた。グループ代表の大井教授は「発達障害者は、なかなか継続した就労に結び付かないのが現状。当事者が貢献できる社会づくりを急がなければ、失業手当や医療費など国の社会保障費も増大する」と、モデル地区の必要性を訴えている。

引用:中日新聞 http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2011010102000103.html



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